2017年公開の映画『ダンケルク』は、第2次世界大戦の「ダンケルク大撤退」を描く戦争映画です。
本作が映画デビュー作となる新人のフィン・ホワイトヘッドのほか、主な出演キャストを紹介します!
あらすじ
1940年、英仏40万の兵士たちはドイツ軍に包囲されフランス北端の海辺の町ダンケルクに追いつめられていました。
イギリスのチャーチル首相は全軍あげての撤退作戦を命じます。
かくして軍艦、漁船、ヨットとドーバー海峡にいる全船舶を総動員した、史上最大の撤退作戦が決行されます。
民間船をも含めた総勢900隻が自らの命も顧みず一斉にダンケルクに向かう中、ドイツ軍による陸海空からの猛攻撃が押し寄せるのでした。
撤退までのタイムリミットが迫る中、果たして兵士たちは生きて帰ることができるのでしょうか!
注目ポイント
本作は鬼才クリストファー・ノーラン監督ならではの徹底したリアル感と、緊迫のタイムサスペンスの演出が容赦なく発揮されています。
音の臨場感も凄まじく、本当に戦場で聞いているような地響きさえも伝わってきます。
さらに、本作に出演した若手俳優たちの演技にも注目です!
『ダンケルク』の主要キャスト

キャストには、トム・ハーディやケネス・ブラナーといった英国出身の名優に加え、ノーラン作品には5度目のキリアン・マーフィーとベテラン俳優のマーク・ライランスが顔を揃えています。
また本作には若手無名俳優が多数起用されました。
フィン・ホワイトヘッド(トミー役)
本作で主役の座を射止めたのは無名のイギリス人俳優フィン・ホワイトヘッド。
ノーラン監督は、ダンケルクの撤退時に若くて未熟な兵士たちが関わっていたことを知り、新人の無名俳優の起用を決めていたといいます。
フィンは他ドラマ作品の撮影中に『ダンケルク』のキャストオーディションを受け、見事主演キャストの一人に抜擢されて華々しいスクリーンデビューを飾りました。
映画デビュー後は『The Children Act』(2017年)や『Caravan』(2018年)に出演し着実にキャリアを築いています。
また、革新的なSF映画という評価の高いNETFLIXのオリジナル映画『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』にも出演し、この映画は大ヒットしました!
トム・グリン=カーニー(ピーター役)
トム・グリン=カーニーは父親の影響を受け幼い頃から演劇への興味をもつようになり、地元の劇場でマクベスやピーターパンの子役として出演。
ロンドンのギルドホール音楽演劇学校に通い演技を学んだ後は、2017年のサム・メンデス監督が舞台演出した『The Ferryman』 に出演しました。
北アイルランドの紛争を描いた同作は批評家から非常に高く評価され、トムはイブニング・スタンダード・シアター・アワードの最優秀新人賞を受賞しました。
『ダンケルク』で映画初出演後は、同年10月にBBCドラマ 『The Last Post』で若き軍人を演じ、2019年には指輪物語の『トールキン 旅の始まり』に大学生役で出演しました。
他、TVシリーズの『The King』では兵士役、『Rialto』では男娼役を演じています。
ジャック・ロウデン(コリンズ役)
ジャック・ロウデンは幼少期から演技に興味を持ち、グラスゴーの演劇学校を卒業後は数々の舞台劇に出演していました。
2013年にシェークスピアの舞台劇『幽霊』で、ローレンス・オリヴィエ賞・演劇部門助演男優賞を受賞しました。
2015年にBBCドラマ『戦争と平和』で伯爵のニコライ・ロストフを演じ、同年に出演した映画 『Tommy’s Honour』 の演技で英国映画テレビ芸術アカデミーやスコットランドの最優秀男優賞にもノミネートされました。
『ダンケルク』出演後にはロックバンド「ザ・スミス」の結成前夜の物語を描いた『イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語』で、若き日のモリッシーを演じました。
数々の舞台劇や映画・ドラマで活躍している実力派俳優の一人といえます。
ハリー・スタイルズ(アレックス役)
ハリー・スタイルズはイギリスの5人組ロックバンド「ワンダイレクション」の最年少メンバーとして、数々のヒットアルバムも収録しています。
ワンダイレクションのデビューアルバム『Up All Night』は全米初登場1位となり、瞬く間に世界中で熱狂的なファンを獲得しました。
ワンダイレクション解散後はソロアルバムをリリース。
デビューアルバムは最高の売り上げを記録して55か国でチャート1位に輝き、ヨーロッパ最大の音楽賞である「MTV Europe Music Awards」を受賞しました。
日本では2014年にドコモのCMにも出演し、爽やかなイケメンぶりが注目されました。
ハリーは『ダンケルク』で俳優デビューを果たした後、ミュージシャン兼俳優として活動の場を広げています。
ディズニーの実写版『リトル・マーメイド』への出演も予定されています。
アナイリン・バーナード(ギブソン役)
アナイリン・バーナードは英国ウェールズ音楽演劇大学を卒業後、本格的に俳優業を志しました。
2009年のミュージカル『春のめざめ』で美声を披露し、ローレンス・オリヴィエ賞ミュージカル部門の主演男優賞を受賞しました。
2016年のBBCドラマ『戦争と平和』のボリス役の演技で「BAFTA Cymru Award」の最優秀男優賞にノミネートされました。
アナイリンはこれまで数々のTVシリーズや映画・舞台でも活躍し、全く違うタイプの作品でもその役柄を見事に演じています。
2017年の映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』が、主演作品として日本で初めて公開されました。
アナイリンは以前からクリストファー・ノーラン監督と一緒に働きたいと希望していたそうで、その夢が『ダンケルク』への出演で実現されました。
まとめ
『ダンケルク』は、史上最大の救出作戦をサスペンスフルタッチで描いています。
本作に出演した若手俳優の恐怖感を表現した演技や、生き抜くために必死に走り回る姿は、とても印象に残りました!